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グローカルの誕生
2008年9月、韓国の大手鉄鋼メーカーPOSCOと私の父が築き上げた寿工業株式会社(従業員約800人)とで、年間10万トンのブルーム(鋼塊)を生産する合弁会社アジア特殊製鋼株式会社を設立しました。しかし、リーマン事件により為替は110円/ドルから76円/ドルに急騰し、限界利益もなくなり倒産しました。今でも当時の自分の慢心と先見性のなさを悔やんでいます。寿工業自身も数百億円の保証をしていたので、従業員を守るため国の再生支援機構に身を委ねることとなりました。約2年に渡る裁判も終わり無一文になった私に、敬愛する50年来の友、麻生太郎氏より「おい奥原、ボーッとするな。風力を勉強しろ。」と言われ、多くの方々の温かいご支援のお陰で2013年、株式会社グローカルが誕生しました。
グローカルの挑戦
丸紅に勤める親友から新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)の新事業がスタートするので参加しないかと提案され、とても嬉しかったことを覚えています。
丸紅がインテグレータを務め、日立造船、東京大学、エコパワー、九電みらいエナジーが名を連ねる「浮体式洋上風力バージ型」のNEDO実証研究にコンソーシアムメンバーとして参加し、当初は寿工業時代の経験と実績が豊富であった係留システムを担当しました。その後、経済産業省・新エネルギー庁のアドバイスの元、ドイツのaerodyn社と2枚翼風車の提携を経て、風車本体とO&Mも任されることとなりました。実証研究事業は今年3月に成功裏に終了し、NEDOからの要請により3MW実証機を買い取り、本年秋より商用運転に移行する予定です。
バージ型浮体式洋上風力3MWひびき
また、昨年2月に岸田文雄総理、麻生太郎元総理、菅義偉元総理が発起人となり「国産再エネに関する次世代型技術の社会実装加速化議員連盟(国産再エネ議連)」が発足しました。民間側でも歩調を合わせた取り組みをすべく「浮体式洋上風力の国産化推進会議」が発足し、弊社も民間側の副代表としてかかわり、今年度の骨太方針において風車国産化の必要性が示されることとなりました。
それを受けて風車国産化部会が設置され、部会長に九州大学の吉田茂雄教授が就き、本格的な風車国産化の動きが始まりました。
さらに、浮体式洋上風力の分野では、前述のaerodyn社が特許を有するツインローター浮体式nezzy2を日本の海域で完成させ、発電コスト10円/kWhの実現を目指します。実はnezzy2に関しては、既に中国MingYang社がaerodyn社の許諾の元でOceanXという名称で8.3MW×2基の実機を製作しており、本年7月に竣工し売電事業へ向けてスタートしたばかりです。aerodyn社のオーナーであるジークフリードセン氏は弊社発足当時からの私の友人であり、彼から日本でも同様の実機製作を提案されましたが、中国の後追いはしたくないため、日本では15MW×2基のnezzy2製作をしたいと申し出たところ、快諾を得ました。ジークフリードセン氏が10月に来日し我々と具体的な打合せに入る予定です。
2050年カーボンニュートラル達成のため、これまでの数多くの経験を活かして力強く前進してまいります。
ツインローター浮体式洋上風力発電システムnezzy2
