2026年9月15日、当協会が主催する「FOURE SUMMIT 2026」が渋谷ソラスタコンファレンスにて開催されました。第4回目となる今年のサミットでは、「”Good Echo” いい再エネを作り、広げていくためには」をテーマに、自治体、事業者、投資家、メディアが一堂に会し、全5部構成で熱い議論が交わされました。
冒頭では、FOURE代表理事の西田より、協会の掲げる「4つの理念」とこれまでの歩みが共有され、サミットの幕が開けました。本記事では、当日のハイライトを各セクションの議論とともに振り返ります。
目次
第1部:地域に喜ばれる再エネとは?
一般社団法人Climate Integrateの平田氏をモデレーターに迎え、環境省の浜島氏、豊岡市の宮垣氏、陸前高田しみんエネルギーの小出氏、FOURE青山理事(株式会社まち未来製作所)の4名によるパネルディスカッションが行われました。
ここでは「良い再エネ(Good Echo)を推進し、悪い再エネを抑制する」という軸のもと、具体的な成功事例が共有されました。コウノトリの野生復帰と環境保全を両立させた豊岡市の取り組みや、津波被災跡地に太陽光発電を設置し、営農型モデルで雇用創出とワイン900kgの生産を達成した陸前高田市の事例は、まさに地域に深く寄与する再エネの姿です。
一方で、現状の再エネが直面する「3つの壁」も浮き彫りになりました。
1. 市民意識の壁
2. 政府・制度の壁
3. 金利のある世界での事業運営の壁
上手くいっている自治体に共通するのは、「再エネの自分事化」です。プッシュ型の提案ではなく、地域が求めるニーズを拾い上げる「プル型」のアプローチ、そして「地域の理想像設定」「地域裨益」「プロセスの整備」という3つのステップが重要であることが示されました。

第2部・第3部:業界の最新取組み事例
第2部では、株式会社モノクロームCEOの梅田氏が登壇。「ワクワクする体験を届けたい」という想いからスタートした同社の屋根一体型太陽光パネルや、スマホで家電を直感的に制御するソフトウェアの取り組みが紹介されました。ユーザーがライフスタイルとして「カッコいい」「ワクワクする」と感じられる体験設計の重要性が語られました。
第3部では、日本生命保険相互会社の岩本氏より、機関投資家・需要家目線での再エネ調達が語られました。企業はTCFDやScope3対応も重視していく必要があり、「環境破壊を伴う再エネ投資は、将来的な利回り悪化につながる」という重要な視点が共有されました。これからの再エネ調達には、生物多様性への配慮、地域住民との合意、災害リスクの回避といった「周辺環境への調和」が必須条件となります。


第4部:社会に求められる再エネとは?
一般社団法人Media is Hopeの西田氏が進行を務めた第4部には、モノクローム梅田氏、日本生命岩本氏に加え、FOURE中村理事(株式会社Looop)、同じくFOURE佐藤理事(オリックス株式会社)が登壇しました。
本セッションでは、「導入量の拡大」から「質の向上と地域共生」へとフェーズが変わった市場構造について議論されました。
• 共感を生むわかりやすさ:費用対効果(ROI)という数字の「正しさ」だけでは人は動かない。モノクローム社の取り組みのように、導入後の暮らしがどう豊かになるかを直感的に理解できる「わかりやすさ」こそが、共感を生むきっかけになる。
• 継続的な地域貢献:地域貢献は1度きりの取り組みで終わらせては意味がない。地域社会と長く付き合い、事業を通じて継続的に価値を提供し続けていく姿勢こそが、真の信頼関係(地域共生)を築く。
• AI時代と電力の未来:中村理事からは、「AIの爆発的普及に伴い電力需要が激増する中、系統の空きを待つのではなく、発電場所に直接データセンターが建設されるような『地産地消の直結型モデル』が到来する」という洞察が示されました。
• エネルギーの民主化:太陽光発電は「誰もがエネルギーの生産者になれる唯一の技術」であり、この民主化こそが社会を根本から変える可能性を秘めているという視点が語られました。

第5部・まとめ:いい再エネを広めるために
サミットの締めくくりとなる第5部では、RICE MEDIAのトム氏をモデレーターに、環境省の浜島氏、FOURE西田代表理事が登壇しました。
優良事例を集約するポータルサイト「Good Echo」をテコに、“良い再エネ”の認知拡大に向けた取組が進められていることが報告されるとともに、今後の発信のあり方として「正しさに加えて、ポップで楽しい体験として伝えること」の必要性が共有されました。
「作ったら終わりではなく、作った人が最後まで責任を持つこと」。それこそが良い再エネの定義であり、そうしたプロジェクトを「誰もが楽しんで応援できる仕組み」に落とし込んでいくこと。これこそが、FOUREが次のフェーズで目指す姿です。

最後に会場参加者による懇親会が行われ、参加者同士が意見を交わしながら交流を深める中、FOURE SUMMIT 2026は盛況のうちに幕を閉じました。
